子育て世帯のほとんどが直面している「夫婦の家事育児の分担」問題。今月の「子育てお悩み相談」は、家事に積極的に取り組んでいるけれど、妻に怒られてしまうというパパさんからのご相談です。
Q
同い年の妻と2歳の娘、3人家族の父親です。娘は保育園に通い、共働きです。娘が「ママにじゃないとイヤ」ということが多いので、家事を積極的に手伝っているのですが、妻に怒られてばかりです。
『手伝っているのに、なんで?」と思うのですが、それを聞いたらますます怒られそうなので、怖くて聞けません。妻からLINEで買い物を頼まれたら、必ず買って帰ります。料理は苦手なので妻に任せていますが、後片付けや掃除、洗濯は手伝っています。
僕のどこがいけないのでしょうか。
(ボビー・32歳)
A
ご相談から、妻の負担を減らそうとしていらっしゃること。子どもの状況に応じて積極的に家事をしたり、得意分野を分担したりしていること、伝わりました。それでも妻に怒られてばかりと感じるのは、それぞれの考え方の違いが原因であることがほとんどです。
一般的に、共働きの家庭でも、妻のほうが家事と育児に割いている時間が多いといわれています。しかし、家事や育児に対して「夫婦は対等である」ことを理想としている女性が増えています。そこに、ボビーさんのお悩みを解決するヒントがあります。「手伝っているのになんで?」と聞かずに、ご相談くださって良かったです!
なぜなら、「手伝う」というワードが、妻の怒りのスイッチを押すからです。妻が夫に求めているのは「手伝い」ではなく「ひとりの担当者として完了させること」なのです。
例えば、“料理”という家事には、「献立を考える」「買い物する」「冷蔵庫に食材を入れる」
「調理」「洗い物」といった、一連の作業が含まれます。これらをすべて完了させて初めて「料理をした」というのが妻側の意見です。しかし、「手伝う」感覚でいると「家事のやりかけ」が発生するのです。
「夫が食器を洗ってくれたのはいいのだけど、シンクの周りが水浸し」というような事態です。シンク周りがきれいなのは自然乾燥しているのではなく、妻が拭いているからなのですね。その負担に妻のイライラが増大するのです。
そこでおすすめしたいのは、「家事を見える化」することです。家事の一連の作業を明確にし、夫婦で共有して割り振るのです。
最後に、妻を喜ばせる方法をお伝えします。例えば、歯磨きついでに、鏡や洗面台を磨くのです。”ながら”でできる上に、夫の自発的な行動に、妻は大喜びです。ただし、決して、「やっといたよ!」という言葉は出さないように。「言われなくてもやっている」ことを、妻に気づかせてあげると、喜びがますからです。
そして、多くの妻が一番身近な存在の夫から、労いの言葉をかけられたら、うれしいものです。「いつもありがとう」といい合える夫婦でありたいですね。
※この記事は、地域新聞PRiSM 2024.9.10発行号に掲載
バックナンバー
Vol.1_登園拒否・登校しぶり
Vol.2_5月の子どもの不調
Vol.3_子どもの「こだわり」対処法
Vol.4_子どもに対する「イライラ」問題
Vol.5_夏休みの生活リズムの乱れ
Vol.7_夫婦の家事育児の分担2
コメント