【PRiSMな人】奈良から全国へ!子育て世代に、赤ちゃんに優しい社会づくりを / お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん

PRiSMな人

Vol.1_株式会社カキモト/ギャラリー「Kawari」店長 垣本 麻希さん
Vol.2_株式会社Kind代表取締役 小林 明加 さん
Vol.3_生駒市議会議員 塩見 まきこ さん
Vol.4_株式会社大和農園ホールディングス / 株式会社大和農園 代表取締役社長 吉田 睦さん

Vol.5_お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん

高校教諭からベビーマッサージ講師に転身

「パパのためのカメラレッスン」「パパカフエ」などのイベントを主催している、岩城はるみさん。その活動は代表をつとめる「お父さんの集い場 plat」を始め、「Alright Baby(オールライト ベイビー)」「ベビーマッサージ」「産後ヨガ」のインストラクター、「出張撮影」など多岐に渡る。活動の根底には「赤ちゃんに優しい社会へ・・・・・」という思いが込められているのだそう。

「新卒で高校の数学教師になり、2人の子どもを出産しました・ふたり目の育児休業中に、仕事と育児を両立できるのか不安になりました」

家のことに専念したほうがいいのか、と思い悩んだ。

「子育てって、自分の努力ではどうにもならないことがたくさんありますよね。『頑張りが結果につながらない』という体験が、私にとって人生初の出来事でもあったんです。恥ずかしながら、それまでは親の努力で、泣く子を黙らせられるものだと思っていた。そうじゃない、と知って『みんな、こんな中で子育てしているんだ!』と価値観がひっくり返りました」

悩んでいた時期に、思い出したのが第一子の出産後に受けた「べビーマッサージ教室」。
2012年に高校教諭を辞め、フリーランスとしてベビーマッサージ講師に転身。その後、「お父さんの集い場plat」「Alright Baby」など活動の場を広げてきた。現在、大学院で育てとジェンダーについての研究に取り組んでいる。

「子育てに関わる仕事を続けてきて、子育ての悩みの根っこはジェンダーの問題だと気づいたんです。若い世代を中心に『家庭を大事にしたい』という男性は増えてきています。けれど、制度や職場環境がそれに追いついていない。女性の社会進出を促すのなら、同時に男性の“家庭進出”も進めなくては、家庭が回らないという現実が無視されている。そこを変えていかない限り、『赤ちゃんに優しい社会』の実現は難しいと感じて。ジェンダーについて研究を深めたい、と考えました。」

男性の“家庭進出、は「ワンオペできる」ことが不可欠

2022年に「お父さんの集い場 plat」をスタード。イベントの盛況ぶりからも「家族との時間を大切にしたい」という男性が多いことを物語っている。
「特に奈良県は『子育てはお母さんのもの』という、いにしえの価値観が根強い地域だと感じています。そんな奈良でも、platのイベントに来てくれる方がいてうれしいです」
 
 男性の育休取得は「ワンオペできることが不可々だし、それが当たり前の社会を目指したい」と岩城さん。
「小のときはオムツを替えられるけど、大のときは『ママやって!』というような、お手伝いレベルでは女性は社会に進出できない。一方で、若い世代を中心に子育てに積極的な男性も増えてきています。
そうした若い世代にフィットする社会や制度にしていくことが必要なのだと思います」

岩城さんの活動のひとつ「Alright Baby」は、社会に向けたものだ。
「社会全体が子育てに不寛容であることも、問題になっています。『べビーカーを蹴られた』
『抱っこひものバックルを背後から外された」といった事件も全国で起きています。一方で、電車の中で赤ちゃんをあやしてくれたり、泣いてる子に声をかけてくれたりと見知らぬ方の善意に救われることもたくさんあります。そうした善意の輪を広げていけたら、と思っているんです」

「Alright Baby」では、ステッカーやバッジ、キーホルダーを販売。身に着けることで、公共の場で「赤ちゃんがいても大丈夫だよ!」という意思を発信することができるグッズだ。
「さまざまなメディアで取り上げていただきました。もっと認知を広げていきたいです」

岩城さんが取り組んでいる活動は、奈良だけでなく日本が長年、抱え続けている少子化問題の解決策のひとつだ。

10月18日(金)、イオンモール橿原で開催の「パパが主役!の子育てフェスタ」では、岩城さんも登壇する。パパママではない人でも参加可能だ。奈良から全国へ「赤ちゃんに優しい社会」への第一歩を踏み出そう。

ベビーマッサージ教室の様子。

「Alright Baby」のグッズ。公共の場で「赤ちゃんがいても大丈夫だよ」という意思表示ができる。


地域新聞PRiSM07号(2024年10月10日発行)

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