【PRiSMな人】「おかしい」と思ったことは諦めずに声を上げ続けていく /生駒市議会議員 塩見 まきこさん

PRiSMな人

Vol.1_株式会社カキモト/ギャラリー「Kawari」店長 垣本 麻希さん
Vol.2_株式会社Kind代表取締役 小林 明加 さん
Vol.4_株式会社大和農園ホールディングス / 株式会社大和農園 代表取締役社長 吉田 睦さん
Vol.5_お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん

Vol.3_生駒市議会議員 塩見 まきこ さん

「おかしい」と思ったことは諦めずに声を上げ続けていく

保育園の保護者会会長から生駒市の市議会議員へ

「”まっすぐ”が通る生駒に!」をスローガンに活動している、生駒市議会議員、塩見まきこさん。政治の道を歩むきっかけは2001年、保育園で起きた病原性大腸菌0157集団感染事件だった。

「当時、この保育園に息子が通っていて、私は保護者会の会長を務めていました。集団感染の原因を検証して、保育の課題を明らかにしたい、と保護者有志の会が立ち上がり、私は市との間に入って、調整役をしていました」

検証の中で見えてきた課題は、過密な保育環境。背景には、国の構造改革による「保育園の定員規制緩和」があった。
「当時は病児保育がなかったので、少し体調が悪くても登園してしまうケースがあったことも課題のひとつでした。保護者有志の会として市議会議員に公開質問状を送ったんですね。ところが、回答してくれたのは、ほんの数名だけ。ほとんどの議員が返答してくれなかったんです」

保護者の声が住民の代表であるはずの議会にも取り合ってもらえないという、現実が浮き避りになった。

「集団感染事件で亡くなった園児のご遺族の弁護士のひとりが、現在の奈良県知事、山下真さんでした。2006年に生駒市長になられたのち、市長の支持母体から『保護者有志の会の中から市議を』と声がかかったのが、私が市議になったきっかけです」

2007年、塩見まきこ市議会議員が誕生した。

自発的な挑戦より人から請われるほうが道が開けていった

「政治家になりたいという夢はなかった」という塩見さん。大学を卒業後、住設機器メーカーに就職。時代は男女雇用機会均等法が施行されたばかり。企業も「四年制大学卒の女子社員をどう扱ったらいいのか」試行錯誤していた時代だ。

「法律的には男女平等でしたが、実際は男性社員と同じ仕事をさせてもらえない時代でした。このままずっと勤め続けていく、将来の姿が描けなくて。1年で退職し、大学院を受験しました」
ところが、大学院でも思うように研究を進められなかった。

「指導教授と研究方針が合わなかったんですが、教授があと1年で定年退職だったんです。そこで、大学院を1年休学して、産休代替職員として図書館司書になりました。学費を稼いで、大学院に復学して。なんとか修士論文を書き上げて修了しました」

司書時代に知り合ったパートナーと結婚。私立の中・高校で非常勤講師を務めた。

「振り返ると、自分で挑戦したいと思って選んだことは、うまくいかなかった。でも、人から請われてそこに乗っかると不思議と道が開けていく人生なんです」

「今」を変えるには声を上げることが必要不可欠

ブログ「塩見まきこの活動日記」には、市政に対して、具体的かつ切り込んだ内容がつづられている。

「例えば、子育て環境を良くするために必要なことのひとつに、『待機児童をなくす』ことが挙げられます。でも、実現するには『保育士さんの確保、待遇の向上」が欠かせません。

政策を実現するには、どうしてもお金がかかります。限られた財源の中で、優先順位をどうつけていくか。そのためには、無駄なものは削り、税金を正しく、有効に使わなくてはならない。だから『おかしい』と思ったことは修正するなどしてきました。なので、歴代市長には疎まれています」

この20年ほどの間に、子育ての環境も少しずつ、整ってきた。

「保育園の設置、衛生管理生管、延長保育、病児保育などの基盤はできてきました。一方で、これから親になるさい世代の人たちは、社会人になったときから奨学金の返済が始まるケースが少なくありません。これは、子どもを産み、育てることにも影響します。自分は当事者でなくても、当事者の立場に立って考え、困りごとを解決するしくみを作っていきたいです」

そのためには、「市民も声を上げるこーが々かせない」と塩見さん。
「諦めたり、スルーしたりしていると何も変わりません」

私たちにできっこともたくさんある。例えば、収めた税金の使述や、自分が投票し当選した議員の活動を追ってみる。そして「おかしい」と思ったことは放置せず、質問してみる。
「生駒市に限らず、どの街もそうした積み重ねが、街を良くしていくことにつながります」

私たちは「政治の傍観者ではなく、当事者なのだ」ということを、塩見さんへの取材で、あらためて実感した。


地域新聞PRiSM4号(2024年7月10日発行)

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