■Vol.1_株式会社カキモト/ギャラリー「Kawari」店長 垣本 麻希さん
■Vol.3_生駒市議会議員 塩見 まきこ さん
■Vol.4_株式会社大和農園ホールディングス / 株式会社大和農園 代表取締役社長 吉田 睦さん
■Vol.5_お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん
Vo.2_株式会社Kind代表取締役 小林 明加 さん
スタッフが長く働き続けられて、独立をサポートを出来る企業に
路頭に迷った末に選んだ経営者の道
「カインドカフェ」を始め、「おいもわかいも」「だし処七福」「天晴」なと、現在11店舗の飲食店を経営している、小林明加さん。6年前のカフェの開店から、店舗を増やしてきた。
「ありがたいことにスタッフが増えていって。でも、どのお店も小規模店なので、働ける場所を作るために店舗を増やしたんです」
どの業界でも人手不足が深刻な時代。にも関わらず、小林さんの会社には「働きたい」と、いう人が集まってくる。
その秘訣を尋ねると「私と同じ境遇のシングルマザーたちが頼ってきてくれるんです」と返ってきた。
小林さんが起業したのも「離婚して2人の娘を抱えて路頭に迷ったから」なのだという。
「当時、21歳だったんですが『これからどうしよう!』という状態で。でも、アルバイトをしていたスナックが店を閉めることになって。ママをやれる人を探していたんです。同じ境遇の友人と『これしかない!』と腹をくくって、2人で共同経営を始めたのがスタートでした」
交代で子守をしながら、店に立った。子どもが小学校に入ったころ、転機が訪れる。
「スナックで働いていたスタッフと、かねてからの夢だったカフェの経営を思い立ったんです。野菜ソムリエの資格を取得していたのですが、この機会に役立てられるお店にしたい、と考えて。野菜とフルーツを使った『カインドカフェ』を開店しました」
当初は、限られた人員で日々の営業をこなすのに必死だったそう。
「次第に私と同じような境遇の知人が集まり、スタッフが増えていきました。ただ、カフェは利益率が良くなくて。一年目はすごく苦戦しました。いろいろな人に助けてもらいながら経営を勉強し、2店舗目のTT by Kind Cafe をオープンすることができたんです」
次の世代に「恩返し」をしていきたい
「今も泣き言ばかりで、成功できているとは思えない」と、小林さん。
「それでもお客さまのおかげで、ここまで来られました。『おいしい』『また来るね』といううれしいお言葉。何度も来店してくださる常連さま。『次は何に挑戦しようかな』と思えるパワーの源です」
直近の目標は、セントラルキッチン事業を軌道に乗せることだ。
「スタッフの昇給をしたいですし、独立もサポートしたいと思っています。すでに社内起業したスタッフが、自分の力で2店舗目をオープンしたんですよ。自分の事業を通じて、若い人たちが夢や目標を叶える手助けをしたいと考えていて。私もいろいろな人に助けていただきました。でも、その恩人たちに私が返すことはできませんから。次の世代に伝えることで『恩返し』をしていきたいんです」
小林さんの2人の娘たちも、高校3年生と1年生になった。
「2人ともアルバイトとして、頼もしい戦力になってくれています。
21歳でスナックをやる、といったとき私の母には『経営なんて!』と反対されたんですね。それでも『私にはこれしかない!』と始めたから、今がある。あのとき、決断して良かっ、たなって思います」
世代を超えた「恩返し」、が、奈良の街にしっかりと根付いている。
地域新聞PRiSM03号(2024年6月10日発行)
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