■Vol.2_株式会社Kind代表取締役 小林 明加 さん
■Vol.3_生駒市議会議員 塩見 まきこ さん
■Vol.4_株式会社大和農園ホールディングス / 株式会社大和農園 代表取締役社長 吉田 睦さん
■Vol.5_お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん
Vol.1_株式会社カキモト/ギャラリー「Kawari」店長 垣本 麻希さん
事業を通じて、奈良の魅力を守りながら伝えていきたい
全ての好きと学びが、つながって「今」に
信貴山麓の豊かな自然に恵まれた、三郷町。
龍田古道沿いに垣本麻希さんが店長を務める、ギャラリー「Kawar」がある。
「この子が経営危機を助けてくれたんですよ」
人気商品の「ふりとらくん」を見せてくれる垣本さん。信貴山の張り子の寅から着想を得た、ゆらゆら揺れる金属の工芸品だ。誕生したきっかけは2008年のリーマンショックだった。
「それまでひっきりなしだった注文が、リーマンショックで一気にピタッとなくなって。うちの会社が得意とする金属加工で、このピンチを乗り切れないか、と試行錯誤して生まれたのが、『ふりとらくん』なんです」
「Kawari」の人気商品の行燈(あんどん)も、奈良の燈花会の灯りから発想を得たものだ。
「私、奈良がとても好きなんですね。それに、歴史も大好きで学生時代に試験で100点取ったこともあるんですよ。なので、短大で日本文化史を専攻しました。卒業後には『将来、家業の役に立てば』という思いで、インテリアの専門学校に進んだんです。専門学校を卒業後は、就職するつもりでした」
しかし、専門学校を卒業する年に、時代は超がつくほどの就職氷河期になっていた。
「学校の先生から『垣本さんは、家業で働いてください』と言われて。それで、カキモトで働き始めたんです」
垣本さんの軌跡を聞くと、そのすべてが一本の線でつながっていることに驚く。「行燈や『ふりとらくん』といった金属工芸品の製造販売を始めてからは、本当に風に乗るような感じなんです。いろいろなことがうまく運んで行って。ご縁にもたくさん恵まれて、引き立てていただいて。『神様が応援してくださっているんだな』って思います」
龍田古道の景観保全 プロジェクトを推進中
今、垣本さんはギャラリーが面している、龍田古道の景観保全プロジェクトに力を注いでいる。
「水田のある龍田古道の景観を求めて、国内外から多くの観光客がいらっしゃいます。おもてなしの風景として、保全していくことが必要だと思い、活動し始めたんです」
宅地になる予定だった水田を自社で購入。今年から、昔ながらの手作業での米作りがスタートする。
「カキモトは明治時代にクワやスキといった農耕機具の鍛冶として創業したことにルーツがありますから。その水田を守ると同時に、ブランド米を作るプロジェクトなんですよ」
ギャラリーを拠点に、カフェイベントなども企画中だ。垣本さんたちが守る、水田のある龍田古道の風景に会いに、足を運んでみたい。
地域新聞PRiSM02号(2024年5月10日発行)
プロフィール
バックナンバー
■Vol.2_株式会社Kind代表取締役 小林 明加 さん
■Vol.3_生駒市議会議員 塩見 まきこ さん
■Vol.4_株式会社大和農園ホールディングス / 株式会社大和農園 代表取締役社長 吉田 睦さん
■Vol.5_お父さんの集い場 plat 代表 岩城はるみさん
コメント