「推し活」が未来を変える——FMまほろば・まささんが語る、ラジオと推しのチカラ
FMまほろばのパーソナリティ・まささんにインタビュー!
声優を目指した夢、ラジオとの出会い、そして「推し活」への情熱について語ってもらいました。
きっかけは叔母のひとこと——夢を諦めかけた時に
「本当は声優になりたくて、専門学校や吉本興業のNSCにも通っていたんです。だけど、途中で『無理かも…』って諦めかけてて。」
くすぶる想いを抱えていたとき、田原本町役場に勤めていた叔母から「FMまほろばでパーソナリティ募集してるよ、応募してみたら?」と声をかけられた。
「それが、今につながる大きな転機でした。」
声の道をあきらめかけた彼女が、再びマイクに向き合うことになった瞬間だった。

初めての生放送、ワンオペで味わった緊張と興奮
「最初、機材が“ドドン”って並んでいるのを見ただけで興奮してました(笑)」
番組は2024年4月にスタート。FMまほろばでは、機材操作も選曲も一人で行う“ワンオペ”スタイルで行うパーソナリティも少なくない。
「音楽がループじゃなくて、一曲ずつ押さないといけなかったんです。BGMが止まった時はもうパニック!でも誰も助けてくれない。『あ、これが生放送か』って全身で実感しました。」
それでも、あのマイクの前に立った瞬間のドキドキが忘れられないという。
「推し活」をラジオで伝える意味
「今の若者って、テレビでもラジオでもなく“推し”が中心にいるんですよね。
だから私は、その“推し活”をラジオで届けたいんです。」
まささんは、番組内で若者に人気のアニメや、TikTokで話題の曲、歌い手グループを紹介している。
「推しって、人生のエネルギーなんですよ。落ち込んでる時でも、推しの声を聞くだけで元気になれる。
だから、推し活って実は“命を支える力”だと思ってます。」
さらに、災害時などスマホやテレビが使えなくなったときでも、ラジオなら推しの声や音楽を届けられると語る。
「“推し”に救われる人を、一人でも増やしたいんです。」

推し活の情熱は、世代をつなぐ架け橋になる
「おじいちゃんおばあちゃんの世代にも、『今はこんな推しがいるんだよ』って知ってもらえたら嬉しいんです。」
まささんは、30代という自身の年齢を活かし、若者カルチャーと高齢世代のリスナーをつなぐ役割を担いたいという。
「たとえば、TikTokで流行っていた『モエチャッカファイア』って曲を流すと、おじいちゃんが『今こんなの流行ってるのか』ってびっくりするんですよ。
世代を超えて、推し活を共有できた瞬間がすごく嬉しいです。」
「普通じゃ伝わらない」——突き抜ける覚悟
「普通に喋ってたら、誰の心にも残らない。
だから、ちょっと“変”って言われるくらい突き抜けたいんです。」
推し活を語る時、まささんの声は自然と早口になる。
今後は、夜の時間帯に「アニメ・歌い手・推し活」専門番組を立ち上げたいと考えている。
「朝は“おじいちゃんおばあちゃんの孫”的に優しく、夜は推し活全開で。15分でもいいから“推し活だけ”を語る番組がしたいんです!」
推し活が生む「つながり」と「偶然の出会い」
推し活は、リスナーとの距離も縮めてくれる。
「甥っ子と同じ保育園に通ってる方がリスナーだったんです!
『今日いましたよね?』ってメッセージが来て、『えっ、いつ会ったんですか!?』って(笑)」
顔が見えない分、「もしかしてこの人かな?」と想像してもらえるのも、ラジオならではの魅力だ。
「地元での“推しトーク”が、自然と地域の人をつないでくれるのが嬉しいです。」

目指すのは「推しが初解禁されるラジオ」
「いつか、歌い手さんの新曲を“初解禁”できる番組を持ちたいんです。
災害が起きたときも、推しの声が聴ける——そんな“命をつなぐラジオ”を作りたい。」
そのために、今はX(旧Twitter)やTikTokでの情報発信にも力を入れ始めた。
「『この人おもしろい!』って思ってもらえるように、推しへの愛も、どんどん表に出していきたいです。
推し活は、私の原動力。ラジオで“推し”を届けるのが、私の使命なんです。」

推しがいるから、声を届けられる
推し活は、単なる趣味ではない。
それは、毎日を前向きにする力であり、人と人をつなぐ力でもある。
「たとえ15分でもいいから、推しの話を聴いてくれた誰かの心に灯がともったら——
それだけで、ラジオをやってきてよかったって思えるんです。」
まささんは今日も、推しへの愛を胸に、声を届け続ける。
